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保されない(注9)。現在、日本に在住している外国人でも永住権をもつ人ばかりとは限らず、様々な事情により、突如、帰国或るいは他国へ居住する場合も決して、珍しいことではない(注10)。また長期海外出張等で日本人が海外進出する場合に、納税管理人の設置や住民登録の届出をしないで転出するケースも増えている。こうした事情を考慮すると、(1)税関等での一括徴収制度や納税証明書掲示の義務付等の制度新設、(2)既存の納税管理人制度の整備(注11)、をさしあたり検討すべきであろう。また(3)国際的な税務協力についても、例えば、二国間租税条約における徴収共助条項やOECD多国間税務執行共助条例(Convention on Mutual Administrative Assistance in Tax Matters)等に見られる徴収確保のための国際協力について各国とも議論を重ねて行く必要がある。
課税対象所得の捕捉
外国人等の個人住民税に関しては、非居住者、非永住者及び非永住者以外の居住者に該当する期間に応じ、前年度の課税対象所得の範囲が決定されるが、適正な課税の確保という見地からいうと課税対象所得の捕捉には改善の余地がある。
第一に、年の途中に居住者となった者の非居住期間の所得は確定申告書の「住民税に関する事項欄」の記載(注12)にもとづいて総合課税されているが、当該欄の記載状況は実態を反映していない(注13)。所得税では非居住期間の所得は住民税と異なり源泉分離課税されているが、源泉分離課税分支払調書は地方自治体

 

注9 日本人の滞納者が国外に移住してしまった場合、国内に親族等の連絡先も見当たらず、処分可能な財産もなく、帰国の見込もないケースでは執行停止処分を行なうと答えた地方自治体がある(『国際化アンケート』より)。
注10 日本で外国人が会社を設立し、土地ころがしや短期譲渡所得をえて、申告納付をしないで国外逃亡をはかるといった悪質な場合もある。
注11 納税管理人については、地方税法では各税目ごとに規定をおいている。道府県民税(地方税法28、29、30条)、事業税(72条9、10、11)、市町村民税(300、301、302条)、固定資産税(355、356、357条)。納税管理人制度の検討の視点としては納税者のプライバシーへの配慮、親族等の広い地域からの選定、選任違反に対する罰則強化等が考えられる。
注12 「住民税に関する事項欄」には前年度中の非居住者であった期間内に生じた国内源泉所得の金額のうち所得税で分離課税された金額額を記載する。
注13 政令指定都市であるY市における確定申告書の「住民税に関する事項欄」の記載状況をみると年十数件となっており、国外勤務から国内勤務を命じられた内国法人の役員の給与や外国人で入国後一年を経過した者の給与所得などが対象となることを考えると適正な課税が行なわれていない可能性がある。

 

 

 

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